体温=体の細胞が活動して作られるもの
風邪をひくと熱が出たり、貧血になると低体温になったりと、同じ具合が悪い状態でも上がったり下がったりする体温。
そもそも、体温とは体の細胞が活動する過程で発生するもので、日本人の場合は平熱が36.8℃程度が平均的だと言われています。
風邪をひくと体温が上がるのは、体内に入った菌やウィルスを無害化するために体内の細胞が活発に動くためで、風邪をひいたときには体の免疫機能を邪魔しないために薬などで熱を下げない方が、早く治るという話もあります。
風邪をひいたときのイメージからなんとなく「体温が高い=体調に良くない」というイメージがありますが、実際には体温が高いほど体が活発に活動している証拠であって、極端に熱が出ている状態は除いて体温は高い方が良い状態でもあり、実際に体温が1度上がれば免疫力は5~6倍になるとも言われています。
体温が1度上がると代謝は12%も上昇
そして細胞がしっかりと活動しているという事は、エネルギー消費となる代謝も沢山行われているという事。
体温が1度上昇すると代謝は12%上がると言われていて、例えば日中あまり動かない、体重50kg程度の20歳女性であれば、活動量を加味しての消費カロリーが1日1900kcal程度ですので、体温1度違えば約200kcalの差がうまれます。
200kcalというと少なく感じますが、これが1年積み重なれば72,000kcal。脂肪に換算して、10kg分ものエネルギーを消費できるという計算になります。
体温を上げる事は健康的にも、美容面でもとても大きな意味がある事なのです。
体温を1℃上げる3つの習慣
では実際にどうやれば体温を向上させる事が出来るのか。
もちろん、運動して筋肉をつけたり、栄養などにこだわった食事を摂ったりできれば理想的ではありますが、実際に生活習慣を大幅に変えていくのは難しいので、簡単に取り入れられる3つの習慣をご紹介します。
よく噛んで、食事に集中する
一つ目のポイントが、食事のとり方。
食事のとり方を変えるといっても、大げさな変更を行うものではなく、食事に集中する。よく噛むという事を意識するだけです。
体温を上げるためには食事からの栄養吸収率を向上させ、体に必要な栄養素をしっかりと摂り入れる必要があるのですが、実は食事の栄養吸収率を大きく低下させる原因の一つがスマホを見ながらなどの「ながら食べ」。
同じように食事をしているようでも、何かをしながら食事をしているとかむ回数が減り、唾液などの分泌量が減り、消化効率が落ちて栄養の吸収率も大きく低下してしまいます。
また、栄養吸収率が落ちるだけではなく食事量自体が増えてしまったりと、ダイエットの大敵にも。
しっかりと噛む回数を増やして食事に集中する事で、満腹感を感じやすく食事の栄養吸収率も向上させる事ができますので、体温を高めていくためにも効果的です。
ただ、食事を楽しむという意味合いでの会話などは寧ろ好影響となる面もありますので、一人で黙々と食べる事を推奨するものではありません。あくまでも、しっかりと食べているものに向き合って、よく噛んで食べるという事を意識する事が大切です。
入浴剤を利用してお風呂に入る
お風呂は体の緊張をほぐし、血行を良くするためにとても効果的な習慣です。
もしいつもシャワーだけで済ませているようであれば、しっかりと入浴するようにするだけでも体温を上げていく事が期待できます。
そして、その効果をより引き上げる方法が入浴剤の利用です。
入浴剤にも色々な種類がありますが、その殆どに共通しているものが入浴時の温熱効果向上と、入浴後の保温効果向上で、お湯にミネラル分などが追加される事で得られるもの。
温泉もナトリウムなどのミネラル分によって体が温まりやすく冷めにくくなりますが、入浴剤を利用する事で手軽にそうした効果を得る事が出来るのです。
お風呂で体が温まったら、その分体温が向上するという単純なものではありませんが、体が温まって血行が促進される事で細胞が活性化される事で、徐々に体の代謝機能を向上させていく事ができますので、是非入浴剤を利用したお風呂を毎日の習慣として取り入れて下さい。
定期的にストレッチをする
代謝を向上させて体温を向上するための大きなポイントが、良好な血流です。
血流が滞る原因にも様々なものがありますが、その一つが筋肉のコリ。筋肉が凝ってハル事で、血管やリンパが圧迫されると血流が滞り、代謝が低下しやすくなってしまうのです。
筋肉のコリをほぐすためにはマッサージなどの通う事も効果的ですが、より手軽に自分で簡単なストレッチをするだけでも効果を発揮します。
ストレッチの基本は、筋肉のコリや疲れを感じる部分を、なるべくゆっくりと引き延ばすような動きをする事。ストレッチの具体的なやり方はそれぞれ部位によってやり方があるのでここでは紹介しませんが、朝起きた時、休憩時間、寝る前など一日の内に何回か定期的に繰り返していく事が、血流を改善させるために効果的です。
可能であれば、1時間に1分程度でも良いのでストレッチをする習慣をつけ、体のこわばりをリセットするようにしましょう。
まずは簡単な事から始めよう
体温を上げるため、色々な方法がありますがいきなりいつもと違う事を始めるのは、なかなか長続きもしにくいですよね。
まずは簡単に取り入れる事から始めて、体の調子がよくなってきた事を感じながら少しずつ色々な改善を行っていってみてはいかがでしょうか。