脱毛できる原理はクリニックもエステも同じ
まず最初に、そもそも何故こんなにクリニックとエステが比較されるかというと、それは脱毛する原理が一緒だから。
一般的に「永久脱毛」と言われている脱毛は、光のエネルギーで毛根部分の「毛を作る細胞」を破壊する事で、ムダ毛が作られたり成長したりするのを防ぐ事で行われます。
この仕組みについてはクリニックで行われる「レーザー脱毛」も、エステで行われる「光脱毛」も同じであるため、何が違うのか分かり難いのです。
よく言われる脱毛機の出力の違いは正確ではない
医療脱毛とエステ脱毛の違いとして、よく言われるのが「出力の違い」です。
レーザーの出力は「10ジュール」というように、熱量の単位であらわされるのですが、医療レーザーの場合は最大で40ジュールを超えるようなものがあるのに対し、エステの光脱毛機は肌に強いダメージを与えない出力として、最大でも20ジュール程度しかありません。
とここまでであれば、確かに脱毛機の出力が違うという形になりますが、実は脱毛に利用される出力は8~20程度であり、医療脱毛でもそこまで大きな出力は積極的に利用されません。
かなり色素の薄い軟毛の場合、脱毛効果を発揮するために40ジュールなど必要となりますが、出力が強ければその分肌へのダメージも大きくなる(火傷してしまう)ため、強い出力での照射はそもそも行えないのです。
また、医療脱毛でもマシンによってはそもそも24ジュールでの設定が限界というようなものもあり、エステの脱毛機と大きく差をつけているというものではないといえます。
一つ目のポイントは「レーザー」かどうか
では何が違うのかというと、一つ目の違いは「レーザー」かどうか。
レーザーというと何となくSFのようなイメージですが、特定の周波数の光のみを増幅して照射する技術の事をレーザーと呼びます。
レーザーは狙ったところに集中ダメージ
難しい理論はおいておき、レーザーかそうでないかで何が変わるかというと、レーザーは狙った場所に集中してダメージを与えられるという事。
脱毛は毛根部分の細胞を破壊する事で効果を発揮しますが、毛根部分に集中してダメージを与えられるのが「レーザー脱毛」。
それに対し、肌表面や毛の真ん中部分など、色々な所にダメージが分散してしまうのがエステなどで行われる「光脱毛」なのです。
レーザーだから強い出力を使える
レーザーは狙ったところに集中してダメージを与えられるので、出力を上げても肌全体にはダメージを与えずに施術が行えます。
一方、光脱毛は肌の浅い所から深い所までエネルギーが分散してしまうため、強い出力でやっても狙ったのダメージは小さく、肌の色々な場所にダメージが発生してしまいます。
このため、医療機関でもエステサロンでもレーザーの「出力」自体は同じものの、毛根に対して与えられるダメージの大きさや、強い出力を使った時の肌へのダメージには差が出てくるのです。
毛根部分の細胞を集中して破壊する事が出来るため、当然の事ながらレーザーの方が脱毛効果は高いという事が出来ます。
トラブルに対して行えるケアの違い
二つ目の違いが火傷などのトラブルがおきた時の対応です。
病院での脱毛では、トラブルが合った時に外用薬などを利用して適切な処置を行う事が出来ますが、エステでは冷却など「医療ではない」対応しか行う事が出来ません。
トラブルが起こらなければ同じと思われがちなこの違いですが、実は効果にも大きな差が出てくる部分。
というのも、トラブルが起きた時の対応が出来ないため、エステサロンではそもそも肌への影響が大きい施術は避けるしかなく、医療機関と比べて「安全な」範囲の施術しか行えません。
■資格上の問題
脱毛は細胞を破壊する事で行う施術なので、厳密に言えば医療行為。本来、エステサロンでの脱毛はそもそも違法行為なのです。
しかし、現実として脱毛施術が行われていて、これはエステの脱毛が「永久脱毛」ではなく、表面に出ている毛を「除毛」しているだけという理屈で行われいる状態。
実際には除毛と言いつつも毛が生えて来なくなる「脱毛」を行っているわけですが、法的にグレーゾーンであるため、規制によって行えなくなるという可能性も光脱毛のリスクの一つであると言えます。
現実的な医療脱毛とエステ脱毛の使い分け方
以上が医療脱毛とエステ脱毛の大きな違いとなりますが、もう一つの違いがあるとすれば「値段」です。
最近は医療レーザー脱毛の価格も昔と比べて安くなっていますが、それでもまだエステサロンと比べると数倍はするのが実情。
だからこそ、用途によって使い分けを行えば経済的に脱毛を行いやすくなります。
太い毛を目立たなくするならエステでもOK
まず、脱毛を始めるにあたって特に太く目立つような毛を処理したい場合には、エステサロンでコストを下げつつ脱毛する方法があります。
特に足のように範囲が広いパーツの場合、エステであれば一回数千円がクリニックでは数万円という場合も多いので、まずはエステサロンで太い毛を脱毛してしまい、目立たなくしてしまいましょう。
ツルツルにするのは医療レーザー脱毛で
一方、太く目立つ毛の脱毛が終わり、ある程度細い毛だけになってくると、エステサロンでの脱毛はかなり効果を発揮しにくくなっていきます。
一回一回の効果が弱ければ、一回の金額が安かったとしてもトータルでかかる金額が大きくなりますので、ある程度残っている毛が細くなってきたら医療レーザー脱毛に切り替えましょう。
強めの出力でしっかりと毛根を破壊していく事で、ツルツルの肌を目指す事が可能です。
VIOなどトラブルが心配な部分も医療脱毛が〇
毛が濃い状態であっても、医療脱毛で対応したいのがVIOなどのデリケートな部位。
粘膜近辺は肌もダメージを受けやすく、また擦れてメラニンなどが多い部位でもありますので、トラブルのケアまでしっかりと行える医療機関での脱毛が良いでしょう。
顔など軟毛(うぶ毛)メイン部位の脱毛はエステサロンで
顔については、濃いヒゲなどでない限り、そもそもレーザーや光で脱毛しきるのが難しい部位。そのため、医療機関であっても脱毛より除毛(今ある毛の処理)というイメージで実施されている事が多い部分でもあります。
顔への脱毛は、毛を処理するだけではなく肌の細胞を活性化させるフェイシャルケアという効果も得られるため、ムダ毛を処理しながらスキンケアというイメージで行うとすれば、エステサロンでの施術の方がコストも安く通いやすいので、継続しやすさという点でおすすめです。
ムダ毛のない肌は明るさや透明感もアップし、素肌の魅力をアップしてくれます。
病院とエステサロンそれぞれでの脱毛の特徴を理解し、一番良い形で活用して下さいね!