座りっぱなしが引き起こす悪影響とは?
日本人が世界一座りっぱなしとはいえ、それの何が問題なのでしょう。運動不足になりがちなのはわかるけれど、それくらいでは? と思う人も多いかと思います。
しかし、座りっぱなしの状態は実はそんなに軽いものではないのです。
座りっぱなしは足の筋肉を動かさないため血液がドロドロに
座りっぱなしの状態の一番の問題は、足の筋肉を動かさない事。
足は第二の心臓とも言われるように、血液を体に巡らせる重要な役割を担っているのですが、座っている状態は足の筋肉を殆ど動かさないため、血流が停滞してしまいます。
同じ足を動かさない状態でも、完全に寝てしまえば重力の影響を殆ど受けなくなるため血流が止まるという事はないのですが、座っている状態では心臓から送られる血液が徐々に足の方に溜まってしまい、停滞。その状態が長く続くと、血液がドロドロになって、最悪の場合は死に至るような静脈血栓塞栓症や脳卒中、心筋梗塞などが引き起こされる可能性がでてきます。
血栓まではいかなくても、血流の低下などによって健康面の悪化が引き起こされる事はほぼ確実で、大腸がんや乳がんといった症状にかかりやすくなるなど、死亡リスクが大幅に上昇。
オーストラリアの研究機関によると、座る時間が1日4時間未満の成人と比べ、8時間以上で15%、11時間以上だと40%も総死亡リスクが上昇するそうです。
病気までいかずともメタボやウエストの太さ、お尻の垂れ下がりに影響
座りっぱなしは美容面でも大きなマイナス。特に、お腹周りやお尻の垂れ下がりが気になる人は座りっぱなしの影響が強いかもしれません。
研究によると、座り時間が一日約7時間を超えてくると、4時間未満の人と比べメタボの割合が約1.5倍。
座っている時間だけではなく、途中に立ち上がって動く時間をもつかどうかも大きな違いで、同じ座る時間でも、家事などで座ったり立ったりする回数が多い人程ウエストが細くなるという結果もあるようです。
これらは、やはり座りっぱなしによる血流の低下によって引き起こされる代謝の低下や血管の機能低下が原因で、消費カロリーが減少して単純に太りやすくなる他、脂肪や糖を分解する酵素の活性が低下して痩せにくくなり、下半身がむくみやすくなる事からより代謝が低下して、お腹より下の部分に脂肪がつきやすくなると言えます。
週末などに運動をしても座りっぱなしの悪影響は完全に解消できない
座りっぱなしの悪影響は、週末などに程よい運動をするようにしても、完全に解消するのは難しいとされています。
というのも、座りっぱなしでいる時間は単なる運動不足なだけではなく、前述のように血流が停滞してより大きな体への悪影響になっているため、運動を沢山すればチャラにできるというわけではないのです。
定期的に立ち上がって足を動かす事が重要
とはいっても、座る事がイコール悪い事という意味ではありません。あくまでも座りっぱなしで血流が滞る事が問題なので、座る時間が長くても、定期的に立ち上がって足の筋肉を動かし、血液を巡らせる事が出来れば、問題も解消しやすくなります。
出来れば30分座ったら3分間。1時間座ったら5分間程度、座りっぱなしを中断して立ち上がったり、歩いたりするようにしましょう。
歩き回らなくても、立ち上がるだけで筋肉は動くようになりますので、座りっぱなしよりは健康的です。
どうしても立ち歩けない時は座りながら足踏みやストレッチを
会議など、どうしても立ち歩く事ができないような時は、座ったままかかとを上下に動かしてふくらはぎの筋肉を使ったり、足首をぐるぐると回したりするだけでも、ある程度の血流を促す事が出来ます。
また、デスクワークの場合などでは下半身だけではなく、肩回りの筋肉も緊張して血流が滞っている事が多いので、肩を回したり体を左右に倒すようなストレッチをしたりするようにしましょう。
全身の血流を促す事で代謝が上がって疲れにくくなりますし、頭もスッキリと考え事がまとまりやすくなりますよ!