足の臭いの原因は汗ではなく足の角質と菌
足の臭いというと、なんとなく「汗が原因」というイメージがあるかと思います。
実際、足の臭いの原因の一つとしては汗によって靴内部の水分量(湿度)が上昇するという影響がある事は確かなのですが、汗が直接ニオイを出しているわけではありません。
では何が足の臭いの原因かというと、それは皮膚にいる「常在菌」が、足の角質(肌)を栄養にして繁殖する際に出す「イソ吉草酸」という成分が原因。
つまり、ニオイの原因は汗ではなく足の角質そのものと、そこにいる菌が問題なのです。
汗による「蒸れ」はこの菌の繁殖を後押ししているだけで、菌が繁殖する環境が揃っていればブーツの中であろうとサンダルであろうと足の臭いは発生する事になります。
臭いを防ぐための3つのポイント
以上の事から、足の臭いを防ぐためのポイントは以下の3つだと言えます。
ポイント1:繁殖の元となる菌を減らす
足の臭いである「イソ吉草酸」を作り出している常在菌(表皮ブドウ球菌)が沢山いるか少ないかでは臭いが発生する量が大幅に変わってきます。
元々存在している常在菌の数が少なければ、繁殖してもそこまで増えずにすむため臭いが出る量は少なくてすみます。
ポイント2:栄養となる角質を減らす
常在菌が繁殖するためには、常在菌の栄養である角質(アミノ酸)がなければいけません。
足の裏を擦ると垢が沢山出てくる人など、剥がれやすい角質の量が多ければそれだけ常在菌の栄養が豊富にあるため、臭いの成分が作られやすくなります。
ポイント3:菌が繁殖しやすい環境を防ぐ
汗による蒸れが菌の繁殖に適した状態にするというのは知っている人が多いと思いますが、菌は適度な湿度と適度な温度があると活発に活動し、繁殖しやすくなります。
足元の湿度を下げたり、温度を下げたりという事が出来れば菌が繁殖しにくい環境になるため、臭いも作られにくくなります。
足の臭いを対策するための10の方法
上記のポイントをおさえ、実際に足の臭いを対策するための方法は以下のようなものになります。
清潔な靴下・ストッキングを履く
足の角質や皮膚にいる常在菌がニオイの原因という事は、当然ですが一番臭いがつくのは素足に直接触れている靴下やストッキング。
靴下やストッキングは何度も使ううちに、洗濯で落としきれなかった角質などがたまってしまったり、生乾きとなって雑菌が繁殖して臭いを発生させたりという状況になりやすいため、通常の洗濯だけではなく煮沸や漂白剤を利用した殺菌効果の高い洗濯を行うか、定期的に買い替えてなるべく清潔なものを使うようにしましょう。
抗菌の繊維で作られていても、効果が永続するわけではないので定期的な買い替えは必要です。
また、靴下が臭くなるからと素足で靴を履くのはもちろんNG。
素足で靴を履くと足と靴の摩擦が大きくなるため、角質が剥がれやすくなって臭いの原因が余計に出てくるようになります。
靴下やストッキングをはく事で摩擦を軽減して足のダメージも減らす事が出来るので、なるべくしっかりと履くようにしましょう。
夏場はサンダルなど素足で履く事が増えますが、これが原因で足の臭いもキツくなってしまうという事があります。
同じ靴を続けて履かない
靴は足からの汗を吸収したり、剥がれた角栓や菌が残ったりして臭いを作り出す原因となります。
毎日同じ靴を履いていると臭いも蓄積されて強くなっていくので、少なくとも2足でローテーション。可能であれば同じ靴を履くときは3日程度の期間をあけるようにしましょう。
また、特に革靴などは汗を吸収して柔らかくなるとダメージを受けやすくなるため、靴を長持ちさせるためにも毎日履き替える事は重要です。
抗菌中敷きを利用する
靴の中に一枚中敷きを追加で入れておくと、角質や菌はそこに吸収されるようになります。
靴の底は簡単に入れ替えられませんが、中敷きであれば定期的に交換ができるので、臭いを感じるようになったら交換して新しいものにするという形で臭い対策が可能です。
特に抗菌作用のある中敷きを利用すれば臭いが付きにくくなるのでおすすめです。
靴を殺菌ケアする
靴下やストッキングを洗うように、靴も殺菌ケアを行いましょう。
足や靴に付く臭いは他の体臭とやや性質が異なるため、足や靴専用のデオドラントスプレーを利用する事が重要です。
室内履きの殺菌を心がける
足の臭い対策に、室内にいる時は室内履きに履き替える人も多いと思います。
しかし、室内履きに角質や菌がたまってしまえば臭いは対策するどころか悪化するばかり。
靴よりも履き替えが少ないかと思いますので、毎日靴に履き替える時に軽くスプレーで殺菌するなど、こまめなケアを行いましょう。
靴を履く前に足の殺菌を行う
靴の中で繁殖するのは足にいる常在菌です。
靴を履く直前に殺菌を行って菌を減らせば、臭いの元も減らす事が出来ます。
ミョウバン入りのデオドラント剤など、足の菌を減らすようなケアアイテムを利用して、靴を履く直前に足の殺菌を行うようにしましょう。
足の保湿ケアを行う
足の角質が乾燥していると、柔軟性が失われてバリア機能が低下するため角質が厚くなりがちです。
保湿クリームやラップパックを利用して、足の保湿ケアを行う事で、足の角質に潤いを持たせる事ができるため、厚くなりにくくなります。
足は爪の間など細かい部分も丁寧に洗う
お風呂で足を洗う時、残りがちなのが爪の間に残る汚れなど。
場合によってはこういった汚れで菌が繁殖し、臭いの原因となる場合もありますので、爪ブラシなどを利用してしっかり取り除くようにしましょう。
また、白癬菌という菌によっておこる水虫は指の間だけではなく爪やかかとなどでも発生しますので、清潔にして水虫を予防する事も大切です。
ストレスをためない
足の汗は「緊張性発汗」といって、ストレスを感じた時に汗をかく量が増えるという関係性があります。
ストレスを感じていると汗の量が増えて蒸れやすくなるなどの影響が出やすいので、なるべくストレスをためないようにしましょう。
足先の運動で冷え性を改善する
冷え性は足の温度が下がるので菌が増殖しにくくなるかといえば、そういうものでもありません。
足の血行不良によっておこる冷え性の状態は、足の角質の代謝を低下させるため、古い角質がたまって厚くなるなどの状態を引き起こします。これにより足の臭いが発生しやすい原因となるため、臭いは出やすくなる事も。
足の指先をグーパーに動かす運動など、血流改善するケアを行って冷え性を改善しましょう。
出来る事から足の臭い対策を
足の臭い対策は、日々の細かなケアが重要です。
全部やろうとすると大変ですが、出来る事から少しずつ取り入れていけば良いので、臭いのケア、そして美しい足先を獲得するためにも、実行しやすいものから取り組んでみてはいかがでしょうか。