洗顔と美白の関係性
美白の意味
まず始めに、美白と洗顔の正しい関係性を理解する必要があります。昨今、とくにインターネットにおいて「美白作用がある洗顔フォーム」や「美白効果がある洗顔法」などの謳い文句が散見されますが、これらは本来の言葉の意味を超越していることもあるため誤解を生みやすい表現です。
一般的に美白という言葉は「シミやくすみを解消すること」や「肌を白くすること」など作業や目的を指すようにして使われていますが、本来の意味は「色素沈着が少なく光の反射量が多い肌」のことを指しています。
また、美白化粧品における美白の意味は「シミやくすみを予防する」ことで、なおかつ厚生労働省が認可した美白有効成分が配合されている必要があります。厚生労働省は美白有効成分を「メラニン生成によるシミやくすみを防ぐ」ことと定義しています。平たく言えば、美白は「予防」の意味があり「解消」を指す言葉ではありません。
現在、市場では言葉の本来の意味とは異なる解釈が混在しているため、消費者は混乱しやすい状況になっています。販売者は本来の意味、そして法律に沿った謳い文句を使っていますが、美容情報サイトやインターネットのクチコミサイトなどでは本来の意味を成していない言葉が飛び交っているのが実情です。
そのため、美白の本来の意味を正しく捉えているかどうかは、信頼できる販売者か情報提供者かどうかを見極める基準になると言えます。
美白洗顔の正しい解釈とは
市場には美白に効果があるとする洗顔料が存在しますが、洗顔料やボディーソープなどのように洗い流すタイプの洗浄剤には肌を白くするような効果はほとんど見込めないと言えます。
この理由として、美白の状態になるためには美白有効成分が表皮から真皮にかけて浸透する必要があるためで、すぐに洗い流してしまう洗顔料や洗浄洗剤では物理的に美白の状態を作り出すことは難しいのです。仮に、洗い流すタイプの物で美白になる成分があったとしても厚生労働省が安全性の観点で認可しないでしょう。
美白洗顔は、あくまでも洗顔によって古い角質が取れて肌全体のトーンが明るく見えるようになるだけで、肌が白くなっているという訳ではありませんので注意しましょう。
このように、美白という言葉を正しく解釈しないまま洗顔料などを使用すると、そもそも効果がない物に対して過剰な期待をして投資することになるので注意が必要です。
洗顔による美白対策とは
洗顔だけで肌が白くなる(美白の状態)になることは現実的ではありません。しかし、日々の洗顔を通して古くなった角質を除去したり、毛穴の黒ずみを洗い落とすことで肌のトーンが向上することは期待できます。美白に効果的とされる洗顔料には以下のような効果があります。
角質除去
表皮層の最も外側は角質層と呼ばれる層で、最も古い細胞によってできています。古くなっている細胞ということは汚れも付着しており、くすみの原因にもなります。また、人間の体は乾燥しているときは角質層を厚くして潤いを保とうとします。厚くなった角質層は明るさを奪うため肌がくすんでいるように見えます。角質層が常に清潔で適度な厚みをしていることが美白に繋がります。
毛穴の黒ずみ除去
角質と同様に毛穴の黒ずみも美白を阻害する大きな要因です。毛穴のなかに古くなった角質や皮脂が詰まり酸化することで黒くなります。黒くなった毛穴の汚れは肌全体で肌色のトーンを下げてしまうため洗顔を通じて常に清潔に保つ必要があります。
ターンオーバーの正常化
美白に効果的とされる洗顔は、肌の新陳代謝であるターンオーバーを正常化させることにもつながります。とくに、古い角質を取り除くことで白く綺麗な肌が透けるようにして見えるため美白の状態に近づきます。なかでもピーリング効果が高いAHA(アルファヒドロキシ酸)と呼ばれるフルーツ酸はターンオーバーを円滑にさせる効果があるとされています。
美白につながる洗顔は角質除去、毛穴の黒ずみ除去、そしてターンオーバーの正常化が重要なポイントです。次では、これらを効率的に実現するための洗顔料選びを解説します。
肌質別の美白を導く洗顔料選びのポイント
洗顔を通じて美白を手に入れるためには洗顔料選びも大切です。さらに、自身の肌質を見極めて、それに適した洗顔料を選ばなければいけません。ここでは、肌のタイプ別に具体的な洗顔料を紹介します。
肌タイプ別
乾燥肌
乾燥肌タイプの人は、保湿成分と低刺激成分に注意して選びましょう。洗顔は肌を清潔にする一方で、水分を奪う行為でもあるため乾燥を進行させるリスクがあります。
そのため、洗顔料にコラーゲンやヒアルロン酸などの保湿成分が豊富に含まれているのが理想です。洗浄力を向上させるための界面活性剤やオイル系は刺激が強くなるので避けるようにして、摩擦を減らすために泡やフォーム、クリームタイプを選ぶといいでしょう。
敏感肌
敏感肌タイプの人は、天然成分でできた固形石鹸や無添加成分の泡タイプの洗顔料がおすすめです。敏感肌の人は化学成分による刺激や乾燥、摩擦が主な原因のためこれらを避ける必要があります。色々な成分が含まれているよりも、シンプルな洗顔料を選ぶことをおすすめします。
オイリー肌(脂性肌)
オイリー肌の人は、一度の洗顔で汚れや余計な脂を洗い落とせる固形石鹸やパウダータイプの洗顔料がおすすめです。脂を洗い落とそうと洗浄力が強いものを使うとかえって皮脂の分泌が促進されますので、油分や添加物が少ない固形石鹸タイプがいいでしょう。
美白につながる洗顔料の成分
美白につながる洗顔では洗顔料に含まれている成分も重要です。角質や黒ずみの除去、そしてターンオーバーの正常化に効果的な成分を解説します。
酵素
角質汚れや毛穴の黒ずみを落とすのに有効な成分が酵素です。酵素には毛穴に詰まった汚れ(角栓)を分解する作用があるため、肌全体のくすみを解消して肌を本来の色に近づけます。乾燥肌、敏感肌の人は酵素の配合濃度が低い物から使い始めるといいでしょう。
AHA(アルファヒドロキシ酸)
古い角質を除去するのに有効とされるのがAHA(アルファヒドロキシ酸)です。角質のピーリング効果があるものの、低刺激なため酵素と並ぶ洗顔の基本成分と言えるでしょう。
コラーゲンとヒアルロン酸
保湿効果があるコラーゲンとヒアルロン酸は肌のハリやツヤには欠かせない成分です。同時に肌の乾燥を防ぐため、肌色のトーンダウンを防止します。美白のベースとなる成分です。
ビタミンC誘導体
抗酸化作用があるビタミンC誘導体は紫外線などの刺激によって生じる活性酸素を抑制する作用がある一方で、還元作用によってシミの予防と解消に貢献します。洗顔料では浸透力が高い水溶性のビタミンC誘導体が含まれている物がおすすめです。
プラセンタエキス
プラセンタにはメラニンを抑制する効果があります。活性酸素やチロシナーゼなどのシミにつながる成分を除去する力で美白の維持に有効です。
これらが含まれている洗顔料を使えば肌が白くなるというわけではありませんが、科学的に美白に有効とされる成分ですので、洗顔料選びの際にひとつの基準にするといいでしょう。
美白につながる正しい洗顔法
美白効果を高めるためには理想的とされる洗顔法を身につけるようにしましょう。間違ったスキンケアは肌トラブルの原因にもなりますので注意が必要です。
ぬるま湯
クレンジングや洗顔は34度から36度のぬるま湯を使いましょう。これは日本人の平均体温から導き出された温度であり、クレンジングや洗顔に最も適しているとされています。ぬるま湯には皮脂を溶かしつつ、毛穴を閉じさせないという利点があります。
摩擦を避ける
クレンジングや洗顔において最も気をつけたい行為が摩擦です。摩擦によるダメージでメラニンが生成されることもあり、結果的にシミの原因につながります。泡やフォームタイプの洗顔料が推奨されるのは摩擦が生じにくいという利点があるためです。
すすぎは入念に
意外に見落としがちなのがすすぎの行程です。とくに短時間で済ませようとするあまり、髪の生え際、鼻の周辺、フェイスラインに洗顔料が残りやすい傾向があります。残った洗顔料は時間の経過と共に肌にダメージを与える原因になります。
水分の拭き取りはやさしく
洗顔後はタオルで顔を拭きますが、その際の力加減に注意してください。角質が落ちて敏感な状態になっているときのタオルによる摩擦は肌ダメージの大きな原因です。加えて、清潔なタオルを使うことも忘れないようにしましょう。
保湿
洗顔後はすみやかに化粧水と保湿クリームを使って保湿しましょう。洗顔後はもっとも肌の水分が蒸発しやすく、外部からの刺激に弱い状態です。洗顔後は肌トラブルのリスクが高いため、すみやかな保湿ケアが望まれます。
おすすめの美白洗顔フォーム
たくさんある洗顔料のなかでも、美白を目指すためにおすすめの洗顔料を厳選しました。
洗顔料を選ぶ際のポイントは、肌に優しい成分、価格(コストパフォーマンス)、入手しやすさ、クチコミでの評価などを基準にしています。
シェルゥーム・コーラルクリア パウダーウォッシュ
これまで何度も「BEST BEAUTY AWARD」の受賞歴がある「コーラルクリア パウダーウォッシュ」は99パーセントが天然由来の成分で出来ており、古い角質を除去するパパイン酵素と、皮脂や角栓除去に有効な天然サンゴの微粉末を配合しています。天然由来の成分であるため、とくに敏感肌や乾燥肌の人に適していると言えます。
主なクチコミ
・洗い上がりがもっちりするようになった
・酵素洗顔でここまで泡立ちが良い物に会えて嬉しい
・毛穴汚れもすっきり
・ピーリングに頼らなくてよくなった
・乾燥するため毎日の使用は控えた方がいいかも
第一三共ヘルスケア・トランシーノ 薬用クリアウォッシュ
シミ対策でも広く知られたトラシーノシリーズの洗顔料です。安心の国内メーカーという点も大きなポイントでしょう。保湿クリームを50パーセント配合し、ビタミンC、アケビアエキスなどのうるおい成分が豊富なことが特徴です。
さらに、薬用肌荒れ防止成分としてグリチルリチン酸2Kも配合されているため、洗顔を通じて肌の調子を整える作用もあります。日本人に多い乾燥肌に最適な洗顔料と言えます。
主なクチコミ
・他の洗顔料よりも明らかに汚れが落ちたと実感した
・初回の使用後は肌が一段明るくなっていた
・少量でも泡立つ
・2、3ヶ月使って肌トラブルが起こらない
・秋頃から毎日使うと乾燥を実感するようになった
ジバンシイ・ブラン ディヴァンフォーム
洗顔し終わった後に一皮むけたような感覚を得られると評判の「ブラン ディヴァンフォーム」は購入価格こそ割高に感じますが、長く使えることからコストパフォーマンスが高いと評判です。泡は軽めで、泡切れがよいため洗顔によるストレスも軽減されます。
ビタミンC誘導体や植物由来成分を複合した独自技術グロウ リバイバーコンプレックスを配合し、メラニンを抑制しシミやくすみを防ぎます。乾燥肌、敏感肌の人におすすめです。
主なクチコミ
・毎朝使用して、くすみが取れて明るくなった気がする
・泡切れがよく、洗い終わった後のつっぱりがない
・フローラル系の香りに癒される
・少しの量で泡立つのでなかなか減らず経済的
・他の製品よりも値段が高い
コーセー・雪肌精 化粧水仕立て 石けん
植物由来成分と和漢植物エキスが豊富に含まれた化粧水成分で出来ている「雪肌精石けん」は、くすみの原因でもあるメラニンや角質を柔らかくして剥がし落とします。石けんタイプではあるものの、ホイップ&モイスト製法によって作られているため泡立ても簡単です。とくに敏感肌、オイリー肌の人に向いているとされています。
主なクチコミ
・固形石鹸だけど濃密な泡がすぐに出来る
・洗い上がりはさっぱりで、肌が白くなった気がする
・美白と言えば雪肌精というイメージ
・泡立ちは良いものの、石鹸を多く使用する
・鼻周りの角栓が取れなかった
まとめ
肌を美白に導くためには、自身の肌質を知り、それに合った洗顔料を選ぶことが大切です。さらに、正しい洗顔法を習慣付けて肌トラブルのリスクを減らすことも心がけましょう。洗顔は毎日の習慣だからこそ、自分に合った洗顔料と正しい方法で取り組むようにしてください。