鍼(はり)治療は痛くないの?
鍼は基本的に痛みはありません。
治療で使う鍼は非常に細いものとなっていて、痛みを軽減するために細く改良されている医療用の注射針よりも細いものも多く、普通に刺してもほとんどの場合で痛みは出ないといえます。
ただし、完全に痛みが無いかというとそうではなく、体の悪くなっている部分に鍼を打つと少し痛みが出やすかったり、神経に触れてしまった場合などは多少の痛みが出る場合もあります。
鍼治療は痛い方が効果があるとかありますか?
前述のように、悪い所に鍼を打つと痛みがでやすいというような影響はありますが、基本的には痛み=強い刺激となってしまうので、痛みが出ないでリラックスして受けて頂ける方が効果が出やすいと考えています。
痛みが出ないような鍼の刺し方の工夫などはあるの?
鍼を刺す時には、様々な工夫がされています。
鍼の工程は、まず刺す場所を決めてから、その部位をかるく揉んで抑える前揉燃(ぜんじゅうねん)から行います。この前揉燃によって、刺す部分の神経を鎮めて痛みを感じにくくするというものです。
また、刺す時には皮膚を抑えて張った状態にしながら刺す事で、鍼が通りやすく痛みを感じにくいようにします。
さらに、日本では多くの鍼灸師が鍼管(しんかん)という管を使って鍼を刺しますが、この鍼管を使う事で、鍼が狙った場所に一直線で打てるため、痛みを出にくくするという効果もあります。
その他、鍼を抜いた後も軽く揉んで違和感が出ないようにするなど、一連の工程で鍼の痛みが出にくい工夫が凝らされています。
(動画でも刺している工程をご紹介しているので、是非ご覧ください)
元々痛みの出にくい細さの鍼を、痛みが出ない工夫を用いて使用しているため、ほとんどの場合で痛みを感じる事は無いといえます。
鍼は折れたりしないの?
基本的に、治療中に折れるというような事はありません。
何度も同じ鍼を消毒して使うような場合、徐々に耐久性が減少して折れてしまうという事も考えられなくはないですが、まずないでしょう。
昔はそういった事例もあったと聞いていますが、現在そうした話を聞く事はありませんので、安心して受けて頂ければと思います。
鍼灸師によって使う鍼は異なる?
鍼治療で使用する鍼は、鍼灸師先生によってそれぞれ違います。
柔らかく柔軟な金で出来た鍼を使う先生もいらっしゃいますし、深く刺すために長い鍼を使ったり、あえて強めの刺激を利用するために太い鍼を使用される先生もいます。
鍼灸師によって、その治療方針は千差万別ですので、自分自身にあった治療法の先生を見つける事が大切かと思います。
鍼は沢山さした方が効果的?
テレビなどでは鍼を沢山刺すような治療がよく紹介されているように見ますが、鍼は沢山させばいいというものではありません。
沢山刺すという事はそれだけ体への負担(刺激)も強くなり、必要以上の刺激があれば治療も逆効果になってしまう場合があります。
ただ、どのくらいの鍼を刺すかというのも鍼灸師の先生次第で、上手な先生なら沢山刺しても負担無く出来る場合もあれば、逆に上手だからこそ少ない鍼で十分な治療効果を得られる場合もあります。
これも鍼灸師の先生の方針次第ですので、沢山刺す方が良い・悪いというものではなく、ご自身にあった治療を行う先生を見つける事が大切と理解して頂だければと思います。
鍼治療で傷跡などができる事はある? 失敗のケースは?
基本的に傷跡が残る事はありません。カサブタになるというようなケースもほぼないでしょう。
ただ、場合によって内出血が生じて、少しアザのようになってしまう事はあり得ます。
ただ、この場合も少しの時間経過ですぐに回復する程度がほとんどです。
鍼治療での失敗としては、こうした内出血以外で、刺激の強さによる体調変化などが起こり得ます。
鍼は思っているよりもハッキリとした変化が出る事もあり、特に治療が必要な箇所が多く、鍼の本数が多くなってしまう場合や、空腹状態などで治療を受けられた場合、治療直後に貧血症状のようなけだるさが出てしまう事もあります。
大きな医療事故のような失敗はあまり考えられませんが、こうしたリスクは存在しますので、信頼できる鍼灸師の先生を見つけて頂ければと思います。