そもそもベビーパウダーとは?
そもそもベビーパウダ―は商品の種類として成分上の決まりなどがあるわけではなく、肌への刺激や負担の少なさから、主に乳幼児のスキンケア用に利用される事が多いために呼ばれている通称。
赤ちゃんのあせもやかぶれ、ただれといった肌トラブルを防止するために利用される粉末状のスキンケア用品です。
ベビーパウダーの代表的なものがシッカロールという商品で、その歴史は古く明治39年(1906年)に開発され、今でも販売が続いています。
また、商品として販売されているものでなければ江戸時代からあせもの予防としてベビーパウダーのようなものは利用されていて、当時は貝殻と植物のでんぷん質などを混ぜて利用していたという文献が残っています。
赤ちゃんに使えるほど安全なベビーパウダーの成分
現在販売されているベビーパウダーの主要な成分原料は主に鉱物と植物のでんぷん質(コーンスターチなど)。
鉱物はタルク(滑石)というものの粉末が利用されており、製品の殆どがこの鉱物成分。鉱物成分が肌表面を覆い、でんぷん質と共に肌の余分な水分や油分を吸着してサラサラな状態を保つため、あせもなどの肌トラブルを予防する事が出来ます。
鉱物とはいっても肌に対して負担がかかるものではなく、赤ちゃんの肌でも安全に、問題無く利用が可能。
その他に含まれる成分の種類は少なく、商品によって微量の香料や、治療効果を目的とした医薬品成分が配合されている事はありますが、ベビーパウダーとして販売されている商品の殆どは、肌表面を覆うような形で負担が少なく、乳幼児の弱い肌でも問題なく利用する事ができます。
大人も使えるベビーパウダーの効果
ベビーパウダーというと赤ちゃん用のイメージが強く、実際に本来の用途も乳幼児向けである事は間違い無いのですが、大人も是非スキンケアに利用したい効果があります。
余分な水分や皮脂の吸着による肌質コントロール
赤ちゃんのあせも等の症状を予防するために利用されるように、ベビーパウダーには肌の余分な水分や油分を吸収し、肌をサラサラな状態に保つという効果があります。
大人の肌も乳幼児と同じように、過剰な水分や油分があるとあせもなど肌トラブルが発生しますので、予防のために利用したいですね。
抗菌・抗炎症作用による肌トラブルの予防
ニキビ菌など、肌トラブルを引き起こす菌は汗や皮脂を栄養にして増殖します。ベビーパウダーによって肌の水分や油分が調整されると、雑菌が繁殖する栄養が少なくなりますので、菌の繁殖を防ぎ、炎症を防ぐ事に繋がります。
また、ベビーパウダーの商品によってはあせもなどのトラブルを改善するため、抗菌や抗炎症作用のある成分が含まれているものもありますので、こうした商品を利用する事で菌の増殖による肌トラブルを予防する事が出来ます。
摩擦刺激の防止
ベビーパウダーを肌に塗布すると、表面にサラサラな膜を作る事になります。すると、肌が衣類などに擦れた際や、肌をすり合わせた際などの摩擦刺激を軽減する事に繋がります。
肌は摩擦刺激が加わるとその刺激によって硬くなったり、メラニンを作り出したりしますので、摩擦刺激を軽減する事で肌トラブルを予防していく事が出来ます。
ベビーパウダーは万能のスキンケアパウダーではない
上記のように、ベビーパウダーを利用する事で肌にとって色々なメリットを得る事が可能ですが、だからといってベビーパウダーが万能の、魔法の粉というわけではありません。
水分が無い肌に塗布しても保湿効果を発揮するわけではありませんし、よく言われるものとしてはニキビの解消に利用できるというものもありますが、出来てしまったニキビを直接改善していくという作用はありません。
スキンケアは肌質に合わせて最適なケア用品を利用する事が重要ですので、それぞれの特性を理解して適切に利用するようにしましょう。
大人におすすめのベビーパウダーの使い方
ベビーパウダーのおすすめな利用法としては、主にメイクの仕上げやお風呂上りから就寝時のスキンケアなどが挙げられます。
メイクの仕上げにベビーパウダーを利用
メイクを行う際、仕上げのパウダーとしてベビーパウダーを利用すると、ベビーパウダーが余分な汗や皮脂などを吸着、発散するようになるため、メイク崩れが起こりにくくなります。
パウダーとしての利用というとファンデーションの仕上げというイメージですが、アイメイクの最後に利用してヨレやパンダ目になる事を防いだり、リップメイクの最後に利用する事で落ちにくくしたりという事も効果的な利用方法です。
ベビーパウダー自体は殆ど色を変えないのと、肌への負担が少ないものですので、とりあえずメイクの仕上げに軽くはたくというような使い方で十分効果を得る事が出来ます。
お風呂上りから就寝時のスキンケアに
お風呂上りは肌が火照って汗をかきやすく、水分や油分が出てきやすいタイミング。このタイミングこそベビーパウダーが有効活用しやすく、お風呂上りに利用する事で適度な肌の潤いを保ち、サラサラな素肌を作り出していく事が出来ます。
また、就寝時は枕や布団など肌に摩擦負担が発生しやすい状況ですので、ベビーパウダーを利用してサラサラな状態にする事で、摩擦によるトラブルを軽減する事ができます。
ベビーパウダーを効果的に使うコツ
ベビーパウダーを利用する際は、あまり厚く塗らないように、適量で利用する事が重要。厚く塗り過ぎると、ベビーパウダーの持つ水分の吸着、蒸散という効果が発揮できなくなってしまうため、ベビーパウダーによって得られるメリットが失われてしまいます。
また、適量を利用するためにいくつかのコツあります。
顔に利用する時はブラシなどを利用する
ベビーパウダーにはパフが付属している事が多いですが、これは基本的に乳幼児のボディのスキンケアに利用するためのもの。一度に広範囲に塗りやすい分、細かい所に塗りやすくは出来ていないものが殆どです。
顔に利用する場合、例えば鼻の脇など細かい部分をこのパフで塗ろうとすると、余分な所にもパウダーが付着して厚塗りになってしまいがちなので、顔に塗る時はフェイスブラシや、使い慣れたメイク道具を利用するようにしましょう。
部分的に利用する場合は固形パウダーを
ベビーパウダーを全体ではなく、皮脂などが特に多い場所だけに利用したいという場合は固形のものがおすすめ。
粉末のものと違い粉が飛び散る事が無いため、ピンポイントで利用する事が出来ます。
肌が乾燥しているならしっかりと保湿ケアの後に
ベビーパウダーを利用する際、肌が乾燥していると思うようにパウダーがつかず、重ね塗りなどによって厚くしがちです。
また、乾燥した肌では保湿効果を発揮できず、逆に乾燥を促進してしまう場合もあるので、ベビーパウダーを利用する前には一度しっかり保湿ケアを行うようにしましょう。