1週間で痩せる限度は3kg程度
結論から言いますと、1週間で痩せる限界は大体3kg程度です。
これは単純に体重の減少という意味ではなく、あくまでも脂肪を減らすという目的で考えた場合ですので、水分の増減などを含めればこれ以上の変動も発生します。
では何故このくらいの減量が限界かについて解説します。
1日に「減量」可能なカロリーの限界は現実的に3000kcal程度
まず、痩せるための大前提として、「基礎代謝や運動による消費カロリー」が「食事などによる摂取カロリー」をどの程度越えているかという事が重要となります。
今回は平均的な日本人女性(20代、体重50kg程度)をモデルとして考えると、まず一日何もしないでも消費される「基礎代謝」は、約1300kcal。立ち仕事や体を使う仕事をしている場合で、大体1日に2600kcalが消費される計算となります。
ここに更に運動を行ったとして考えてみると、比較的消費カロリーの多いランニングを、時速10㎞程度の少し早い速度で行った場合に1時間で530kcal程消費しますので、2時間程走れば1060kcal消費する事になります。
以上を合計すると、1日動き回る仕事を行った上で、2時間のランニングをやれば3660kcal程度を消費する事ができるという事になります。
一方、食事による摂取カロリーですが、恐らく全く何も食べないで上記のような生活を送る事は不可能ですよね。
限界程度まで抑えて、1日におにぎりを三つくらい食べると、コンビニのおにぎりで大体一個200kcalですので、3つで600kcal。これを最低限の摂取カロリーとして計算すると、一日に減量できるエネルギーは3000kcalとなります。
1日3000kcalの消費で、一週間約3kgの脂肪燃焼
次に、この消費ペースを1週間維持した場合を考えてみます。
1日3000kcalという事は、1週間=7日間で21000kcal。
この分が、丸々全て脂肪の燃焼によって賄われるとすると、脂肪は1kgあたり大体7200kcalですので、21000÷7200で2.87kg。多めに見積もっても3kgの減量という形になります。
ここまで、全て単純な計算を行っていますが、1日立ち仕事をした後で2時間の少し早めのランニングを行い、かつ食事は1日におにぎり3つという生活を、現実的に1週間続けるのはまず不可能。
実際には、これより沢山食べたり運動量が少なくなると思いますので、この半分も減量が出来れば相当頑張っていると言えるのではないでしょうか。
1か月で10kg減量などという広告は嘘?
よく、広告などでは1か月で10kgの減量というものを見かけます。
今回の計算では週に3kgが限界という事になりましたので、大体4週間頑張り続ければ、12kgの減量は出来るという事になります。
ただ、実際には前述の通りこんな減量は不可能。
では何故このような広告の内容が言えるのでしょうか?
元の体型次第で消費エネルギー量は大幅に変わる
まず、前提として元々の体型の違いというものがあります。
当たり前の事ですが、100kgの人が90kgになるのと、50㎏の人が40kgになるのには大きな違いがあり、それはそもそもの基礎代謝からしても明確。
50kgの人では基礎代謝が約1300kcalですが、これが体重100kgであれば1800kcal。日常の運動量が同じ程度であれば、生活するだけでも1000kcal近く1日の消費カロリーに差がでる場合があります。
1日に1000kcal消費すれば、1週間で1kg、4週間で4kgの脂肪燃焼となりますので、同じ10kgの減量といってもその労力には大きな差がうまれるのです。
水分の減少量まで含めると体重は大幅に変わる
また、殆どの場合は脂肪燃焼以外での体重変動、特に水分の減少による体重変化が影響していると言えます。
ボクサーは試合前の減量で水分を極限まで絞ると言いますが、生活の中における体重の変動は、殆どが水分による変動。
成人が一日に排出する尿や汗の量は、大体1.5~2リットルと言われ、これだけでも1.5~2kgの変動が発生する事に。
運動をすると汗の量などは増加しますので、元々水分がたまってむくみが合った人などは特に水分の減少によって体重が減る事になります。
ボクサーは体重計測の後は通常通りの食事をして体重を元に戻しますが、同様に一度水分の減少で体重が減っても、食事などで摂取をすれば(解消されたむくみの分などは除いて)
ある程度すぐに戻るため、本当に痩せているとは言いにくい面があります。
見た目の変化はむくみの解消と筋力の増加によるもの
でも、実際に写真でも大幅に痩せて見えるものが多いのも事実。あくまでも広告内容に偽りがない前提ですが、体型の変化はむくみの改善と筋力の増加で姿勢などが正された結果という面が強く、脂肪の燃焼そのものでの変化が全てではありません。
むくみの改善については前述の通り、運動によって余計な水分が排出される事で、すっきりと細くなるというもの。
筋力の増強については、例えば腹筋などが鍛えられる事によって内臓の位置が正しい所に戻ったり、たるんでいる部分が引き上げられる事で近辺がスリムに見えるようになります。
もちろん脂肪が減る事での体型変化も大きいのですが、見た目の変化という点ではやはり姿勢やむくみの改善というものはとても大きく、こういった部分にアプローチする事でキレイなボディラインを作る事が可能になります。
短期間で脂肪の大量燃焼は困難。でも痩せやすい体作りは出来る
以上のように、短期間で脂肪を一気に燃焼させるという事は、基本的にほぼ不可能。できても、せいぜい数キロが限度でしょう。
ただ、集中してトレーニングを行う事で筋力を増やせば、基礎代謝が増加して痩せやすく太りにくい体を作っていく事は可能です。
また、筋力は少しの変化でも体型に大きく影響するため、体重は減らなくても体型はスッキリさせられるという点も、筋力トレーニングの魅力の一つ。
痩せようと思うと有酸素運動などカロリーを消費する事や、食事を制限する事ばかりに目がいきがちですが、痩せやすい体を作って体型をコントロールする事は、魅力的なボディラインを作るための最も近道であるとも言えます。
痩せる事よりも痩せやすい体作りに目を向けて、短期間の結果に一喜一憂せず、長期的なボディメイクを楽しみませんか?