脂っぽい肌(脂性肌、オイリー肌)になる原因
肌が脂っぽくなってしまう理由は、主に皮脂の分泌過剰によるものです。
皮脂は肌の保湿機能を担うものの一つで、皮脂がある事によって肌から水分が蒸発するのを防ぐ役割。
肌がしっかりと潤っている状態であれば適切な分量で分泌されるのですが、肌が乾燥しやすい状態になると水分を保持するために皮脂が多く分泌されやすくなります。
また、脂っぽい食事のとりすぎも皮脂が過剰に出てオイリー肌になってしまう原因に。
皮脂は毛穴の中にある皮脂腺にある腺細胞が、血管から脂肪などの栄養を取りこんで蓄積していき、限界量に達した時に細胞が破裂して皮脂として分泌されるもの。イメージとしては水風船に水をどんどん入れていくイメージですね。
脂肪分などが適切な食事をとっている場合にはこのスピードは緩やかですが、脂っこい食事をとっていると血中からの脂肪分取り込みスピードが速くなり、水風船に水を入れる蛇口を思い切り開いた時のように、すぐに膨張して破裂してしまいます。
そのため、脂っぽい食事が多い人は脂性肌になりやすいのです。
脂っこい食事だけではなく、糖質も体内で脂質などに作り替えられるため、糖質が多い食事も避けるようにしましょう。
脂っぽい肌の人がニキビになりやすい原因
ニキビは毛穴に皮脂が詰まって角栓となり、そこにアクネ菌が繁殖する事で炎症を起こす肌トラブルです。
脂っぽい脂性肌の場合、この原因である皮脂の分量が多いので、当然のことながらニキビが発生しやすくなります。
ただ、注意したいのは単純に皮脂が多いから詰まりやすいというだけではないという事。
皮脂は通常であればサラサラの状態であるため、単純に量が多くても毛穴にすぐ詰まるとうわけではないのです。
では何が問題かというと、それは皮脂の酸化。皮脂は分泌された後、肌にある常在菌によって遊離脂肪酸などに分解されて酸化するのですが、遊離脂肪酸が増えると皮脂がドロドロの状態になって毛穴に詰まりやすくなります。
皮脂の分量が多いと、洗顔などを行っても肌に皮脂が残り過ぎてしまう場合があり、この除去しれない皮脂が酸化して毛穴を詰まらせる事で、ニキビが発生してくるのです。
そのため、脂っぽい肌であってもしっかりと清潔に保てている人や、逆に常に皮脂が出続けて古い皮脂が毛穴から流れ出してくる人はニキビもあまりできないと言えるのです。
脂っぽい肌のスキンケアの基本
脂性肌の人が気を付けたいスキンケアの基本は、肌内部の保湿機能を高める事。
肌内部が乾燥しやすくなっている事が皮脂の過剰分泌を促しているので、しっかりと潤いを保てるようにする事が重要です。
肌内部の保湿を行うために重要なポイントが、細胞間脂質やNMFといった角質層での保湿機能をもつ成分を補充する事で、特に細胞間脂質の半分を占めるセラミドを利用する事が効果的です。
ただ、セラミドは高価になりやすいため、代用品として角質層に浸透するようなナノ化ヒアルロン酸やナノ化コラーゲンなどを利用するのも良いでしょう。
細胞間脂質やNMFは肌のターンオーバーによって作られる成分のため、ターンオーバーが遅くなって肌が硬くなっている状態であれば、ビタミンC誘導体やEGFなど肌のターンオーバーを促進していく美容成分を利用してスキンケアを行う事も良いでしょう。
逆に、保湿といってもスクワランやホホバなど皮脂の代わりとして働くようなオイル系は肌がべたつく原因となりますので、利用しなくて良いでしょう。
ピーリングやスクラブなど、肌を削ってターンオーバーを促すようなケアについても、乾燥を悪化させてしまう可能性があるのであまりおすすめできません。
脂っぽい肌に合う洗顔方法
脂っぽい肌の洗顔は、古い皮脂をしっかりと除去する事と、肌の刺激を避ける事がまず重要です。
その為には、洗浄力の強い純石鹸をしっかりと泡立て、毛穴に押し込むようなイメージで洗顔するようにしましょう。
気を付けたい点としては、ゴシゴシ擦って角質を削らないようにする事や、熱すぎるお湯で残しておくべき皮脂まで除去しない事、洗顔後も肌に残る保湿剤などが配合されていない洗顔料を利用する事です。
保湿成分が配合された洗顔料は、洗い上がりの肌がしっとりとして良さそうに思えますが、保湿成分が残る=洗顔料の成分が残っているという事でもあるので、乾燥しやすくなっている肌には逆にダメージを与え続ける原因にもなります。
洗顔は洗顔、保湿は保湿として、しっかりと別々にケアを行うようにしましょう。
脂っぽい肌の人がメイクをする際の注意点
脂を抑えるために、下地は皮脂吸着成分のあるものを選ぶ
脂っぽい肌の人は、クリームや油分多めの化粧下地などをつけると脂に油を足すことになるので、メイクの前には必要以上に油分の多いものをつけるのは避けましょう。
化粧下地も、出てきた脂を吸い取ってさらっと保ってくれる、皮脂吸着タイプのものを使いましょう。
脂浮きしやすいので、油分多めのファンデーションは避ける
ファンデーションも油分多めのものは避けたほうが無難。
油分の少ないものから順に並べると
パウダータイプ→リキッドタイプ→クリームタイプ
となります。
パウダータイプは、固形に圧着されたコンパクトのものや、粉末のルースタイプなどがおすすめです。
リキッドタイプは油分はあっても美容液成分や皮脂崩れ防止成分が配合されたものもあるので、場合によって使い分けましょう。
最後にルースパウダーで崩れを防ぐ
ルースパウダーには脂を吸着し、テカリを抑え化粧崩れを防ぐ機能があります。
特に脂の出やすいおでこや頬、鼻などには丁寧につけておきましょう。