永久脱毛するには「細胞を破壊」する事が必須
まず初めに、何故クリームを使って永久脱毛が出来ないかを説明します。
永久脱毛は基本的に「医療脱毛」のみに認められた行為で、図の毛母細胞や毛乳頭部分か、バルジ領域の細胞を「破壊(細胞の死滅)」させる事が必要となります。
これは、毛の成長を担う毛母細胞や毛乳頭部分か、毛が成長する指令塔となるバルジ領域のどちらかを破壊する事で、新しい毛が育成する事を防ぐためです。
医療脱毛は強い熱刺激による「火傷」で細胞を破壊する
永久脱毛を行えるのは医療脱毛だけですが、医療脱毛はレーザーや電気を使って毛を熱し、毛母細胞やバルジ領域を「火傷」の状態にする事で細胞を破壊します。
火傷や深い傷を負った事がある人はその部分に新しく毛が生えて来なくなる事を経験していると思いますが、それをレーザーや電気によって人為的に起こすのです。
もちろん、細胞を破壊するため肌はダメージを受けます。だからこそ国も医療機関でしかこうした行為を認めておらず、なるべく火傷を引き起こす範囲が小さく、肌にダメージが残らないように専用のレーザーなどで施術が行われるのです。
除毛クリームは細胞を破壊する力は無い。あり得ない。
ここで問題になるのが除毛クリームの効果です。
除毛クリームは、主に毛を溶かす性質の「チオグリコール酸カルシウム」などを利用する事で、毛を柔らかくして弱らせる事で、簡単に引き抜ける状態にします。
利用時点で生えている毛を除去する効果は確かですし、普通に毛を剃るよりも深い位置から毛を取り除く事が出来るため、除毛クリームを利用してから暫くの間は毛が生えてこない状態にする事が可能です。
しかし、それはあくまでも毛を除去するだけの効果。医療脱毛と同じように、毛を育てる細胞を破壊して永久脱毛効果を得る事は絶対に出来ません。
細胞を破壊できるクリームを肌に塗ったら大変な事に……
先ほど、医療脱毛を「細胞を火傷させて破壊する」行為と紹介したように、永久脱毛を行うという事は相応の肌へのダメージが必要となります。
もし、毛母細胞やバルジ領域の細胞を破壊できるような強さの薬品を肌に塗ったらどうなるでしょうか。答えは簡単、塗った部分の肌全体が焼けただれたような状態になります。
レーザーで瞬間的に毛の周囲に対して熱を加えるのではなく、肌表面全体に対して細胞を破壊できるようなクリームを塗ったら、それは理科室の危険な薬品を体に浴びるのと一緒の事。
もちろん、除毛クリームを塗ってそんな状態になる事はあり得ませんし、もしそんな強さのクリームであれば国から販売の許可がおりません。即効で販売停止&賠償金コースです。
そんな理由で、クリームによって永久脱毛を行う事はまず不可能。
また、脱毛クリームというような名称を使っている時点で問題があり、毛を除去する「除毛クリーム」ですので、脱毛クリームとして紹介しているものには注意が必要です。
除毛クリームの選び方
以上のように、除毛クリームが「永久脱毛」の効果を持つ事はあり得ませんが、ムダ毛を処理する方法としては、除毛クリームが有効であるのは間違いありません。
カミソリのように毎日処理する必要もなく、毛穴が目立ちにくくなるという見た目の良さや、毛抜きのように強い負担がかかりにくいという点では除毛クリームによる定期的なムダ毛処理はとてもおすすめです。
ツルツル状態が長持ちしなくても手軽で肌への負担が軽いものがおすすめ
除毛クリームは、毛を強力に溶かしてなるべく深い部分から除毛するものと、肌への負担を少なくして、その分浅い位置で毛を処理するものに分かれます。
毛を深い位置から処理しつつ、肌へのダメージが少ないというものが理想ではありますが、どうしてもそこは効果の強さと刺激の強さが影響しあってしまうので、このどちらを選ぶべきかという事になります。
選び方は人それぞれの好みもあるため何が正解というものは無いのですが、除毛力が強いものよりも肌へのダメージが弱いものを選ぶ方が、スキンケアの観点ではオススメです。
一度使ったら長期間毛が生えて来なくなるというような除毛クリームの場合、肌への刺激も強く使用中の痒みや、使用後のかぶれなど肌のトラブルが大きく、場合によってはダメージを受けた毛穴が詰まってニキビや毛嚢炎などのトラブルも発生しやすくなります。
一方、肌への刺激を抑えた除毛クリームは利用しても数日から1週間程度すればまたムダ毛が生えてくるようになってしまいますが、肌への負担も少ないため、トラブルを引き起こす事はあまりありません。
ただし、繰り返し利用する必要が出てくるため、プッシュするだけで泡が出てくるようなタイプを選ぶなど、利用方法が簡単である事がポイントとなります。
肌が強くて刺激の強い除毛クリームでも問題が無いという場合は強力なものを選ぶ方が経済的にも良いと思いますが、強い刺激で肌が荒れてしまう方がキレイな肌から遠ざかってしまうので、除毛クリームは弱めのものを適度に繰り返し使うというようなイメージで選ぶと良いでしょう。
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