汗には保湿機能が無い
暑いと大量に出てくる汗。この汗は、主にエクリン腺という汗を分泌する汗腺から出てくる汗で、99%以上が水分で構成されています。
汗を大量にかくと、その水分で肌が潤っているように感じますが、汗はそもそも蒸発する際の「気化熱」で体温を下げるために分泌されるもの。
汗がいくら分泌されても、その水分は蒸発していってしまうので肌の潤いにはなりません。
保湿機能があるのは皮脂
人の肌から分泌されるもので、保湿機能をもっているのは汗ではなく皮脂です。
皮脂は油の性質のため水分を通す事が無く、肌を皮脂の膜で覆う事で、肌から水分が蒸発するのを防ぐ事が出来ます。
皮脂は気温によって分泌量が変わるものではなく、食事の変化やホルモンバランスの変化によって分泌が増えるもの。
そのため、夏だから皮脂が大量に分泌されるというわけではなく、逆に汗によって流されてしまいやすいため、夏は皮脂による保湿機能が弱まるといえます。
そもそも汗をかくと体内から水分が減少する
汗をかくと、当然ではありますが体内からその分の水分が失われます。
ただでさえ一日に500~1500ml程度の水分が体内から蒸発していると言われていますが、これが夏の炎天下であればその量も急増。炎天下の中を10分歩くだけでも、100mlの汗をかくと言われています。
体内から水分が出ていけば、その分潤いがなくなるのは当たりまえの事。汗は血液から作られますが、血液中の水分が減少していく事で肌も乾燥しやすくなります。
汗は肌の刺激にもなる
エクリン汗腺から分泌される汗の99%以上は水分ですが、その他に塩分やその他微量のミネラル分が含まれています。
このミネラル分は通常であればあまり影響がないのですが、肌が乾燥によって刺激に対して敏感になっていたり、汗の質が悪く塩分やミネラル分の多い汗をかいたりすると、肌への刺激となります。
肌が刺激を感じると、その部分が硬くなって外部の刺激から身を守るように変化し、これが肌を更に乾燥させる場合があります。
強い紫外線も肌を乾燥させる原因
夏の強い紫外線をあびると、肌は熱によるダメージを受けます。
熱によるダメージは肌を乾燥させる大きな原因の一つですので、しっかりと紫外線対策をおこなっていないと肌の乾燥はどんどん進行していってしまうのです。
エアコンの風も乾燥を促進する
夏になると、室内では強いエアコンの風が吹いている部屋も多いと思います。
エアコンは部屋を快適に保つため、気温を下げるだけではなく湿度も下げられるような風を送り出していますが、この風に直接あたってしまうと肌の水分が奪われ、乾燥しやすくなります。
また、エアコンの直風は体を極端に冷やして血管を収縮させ、肌の代謝を下げる原因にも。肌の代謝が落ちれば保湿成分も作られにくくなるため、肌の乾燥が進みやすくなります。
汗のふき取りシートが保湿成分を除去してしまう事も
汗でベタベタになった肌をさっぱりさせるため、ふき取りシートを使う場合は要注意!
ふき取りシートの中には、使い心地のサッパリ感を強めるためにアルコールやエタノールなど揮発性の高い成分を使っているものもあり、これで肌を拭いてしまうと肌にある保湿成分まで除去してしまいやすくなります。
汗自体はふき取った方が肌のために良いのですが、ふき取る際は乾いたタオルや、水で濡らしたタオルなどで拭くか、アルコールなどが入っていないふき取りシートを選ぶようにしましょう。
汗で皮膚がふやけて保湿成分ごと剥がれる場合も
汗を沢山かくと、水分が肌に浸透して皮膚をふやけさしてしまう場合があります。
皮膚がふやけて剥がれてしまうと、当たり前ではありますが剥がれた部分の肌にあった保湿機能が失われ、肌が乾燥しやすくなります。
日本は特に湿度が高く、汗が蒸発しにくい環境でもあるので、ふやける程留まらないようにこまめにふき取るようにしましょう。
夏の乾燥肌を防ぐために、夜のケアをしっかりと
夏は汗で肌が潤うと思いきや、逆に乾燥しやすくなる場合があるという事を紹介しましたが、乾燥対策のためにもよりしっかり行いたいのが夜のケア。
日中は潤い成分を補給しても汗で流されてしまいやすいので、その分しっかりと夜に肌の保湿成分を補給しましょう。
乾燥を防ぐためには、肌内部の保湿成分としてセラミドやアミノ酸系保湿成分、ヒアルロン酸などがおすすめです。
紫外線によるシミのような肌トラブルばかりが気になりがちな夏ですが、保湿もしっかりと意識したケアを取り入れるようにして、健康で美しい肌を手に入れましょう!